スミノフの 犬にロンド 猫にゴハン

スミノフ家のわんとにゃーS (^ν^) by 史寺住野

前回の続き、じゃあ、着物の古着ってどう思う?

こんにちは、スミノフです。

 

前回は中古家電についてでしたが、今回は着物です。

 

スミノフは一時、紬の着物販売と晴れ着レンタルをしているショップで働いていたことがあります。

全く着物に興味はありませんでしたが、経理業務と、スタイリストさんのスケジュール調整やギャラ交渉のような仕事をしていました。

 

1階が売場で、紬がメインの反物、帯、帯締め、帯留め、バッグ、草履などが、キレイにパッケージされて売られていました。

 

2階はレンタルになっていて、壁2面を使って、ギッシリと何竿もの着物箪笥、その前は畳敷きの大きなスペース、別室には仕立てをする女の子、私は畳敷きのスペースとは引き戸で隔てることのできる小部屋にいました。

 

お客様がいるときは引き戸が立てられますが、普段は開けっ放しです。

 

スタイリストさんが何人かいて、次の撮影のための着物と小物を考えたり、持ち物の準備をしたり、全員女性なこともあって、なんとなくにぎやかです。あ、芸能人の方もたまに来てました。 

 

昼間はいいんです。昼間は。

 

問題は夜です。

 

残業の時、スミノフはひとりでPCに向かって作業しています。それは着物箪笥に背を向ける格好になります。

PC机は壁に向かってくっついていて、その壁に何故だか鏡がついていました。

 

目の前はすぐに鏡のある壁、背中側は広い畳スペースと壁2面分の着物箪笥。不安定な心持になる配置です。

 

そして言い忘れましたが、ここのレンタル着物は、普通の成人式や結婚式のレンタル着物と決定的に違う点あります。

 

ここでタイトルに戻るのですが、ここの着物は全部、とてもとても古いモノなのです。

 

詳しくは知りませんが、明治・大正・昭和初期の着物だと思います。もしかしたら江戸のものもあったのかも。

 

以前、大正ロマン風の着物が流行ったことがあったけれど、ここにあるのはみな本物、それぞれの時代で現役だった着物です。

 

向かって正面の壁の着物箪笥はほとんどが晴れ着で、帯、他には七五三用の着物、古い浴衣、小物、子供布団の布(つまり元は着物で、ほぐして我が子の布団に仕立てた直した布)、古い端切れ布。

 

そして箪笥の上には小さい桐箪笥のような箱。中には古い根付の、彫刻された象牙や不思議な造形の硝子や真鍮。また、翡翠、琥珀、瑪瑙、珊瑚、真珠のトロリとした古い帯留め。 

 

向かって左の壁の着物箪笥には婚礼衣裳が入っていました。

白無垢や、黒地に絵柄が入った引きずる着物。裾に綿みたいなのが入っているタイプです。

 

古着の着物や半襟は、一見、薄汚れているように見えますが、実際に纏ってみると、汚れは感じられないどころか、独特の趣があり、妖しく、不思議な雰囲気を醸し出していて、魅せられます。

 

 

それをとっかえひっかえ肩にかけ、上気した頬と輝く眼差し、次々畳に広がる絹の花園、近い未来の花嫁さんとお母さん。

 

 

 

怖くないのかな?

 

 

 

婚礼衣裳や振袖、晴れ着、宝石貴石って、親や旦那衆が、娘や奥様、またはお妾さんを深く慈しんで買ってくれたもの、若しくは代々家に伝わっているもの。

 

女性が一人で自分のために買い求めることもあったのかもしれないけれど、それは少なかったでしょうし、その時はきっと、やっとの思いで買ったことだったでしょう。

 

 

そんな想いのこもった品々を、売ることになった場面を想像する時、幸せな状況が頭に浮かんで来ません。

手放す品に対する拭えない愛惜の想い、没落貴族の無念と哀惜を想像してしまうのです。

 

また、艶やかな着物は、花街を想起させます。

 

 

花街の、文字通り身体を張った稼ぎから、着物代やら小物代やら差し引かれ、借金は減るどころか増える一方、足抜けする器量も気概もなく、いい人から貰った珊瑚の簪、ただただ、物憂い瞳でもてあそび、時は流れ、持ち主不在の着物と簪、情念だけが残りました、的な。

 

 

 

 

残業しているとね、箪笥が鳴るんですよ。

木製なので湿気やなんかの関係で鳴るのは、理屈ではわかっています。

でもやっぱりいい感じはしません。音が鳴るたび、そっと目を上げて鏡を見ます。自分の背後を確認です。

振り返ることはできません。

 

その鏡に、着物の女性が映ることがあります。ビクッ!

でも驚くことはありません。

昼間にスタイリストがトルソーに着物を着せて、一晩考えようと、そのままにして帰って行ってしまっただけです。

 

引き戸を閉めれば?
そっちの方が怖いですよ。

 

結果を言えば、独りでにトルソーに着せた着物がずり落ちることも、帯留めの桐箱が落下してくることもなく、ましてや着物が宙を舞うこともありませんでした。

 

けれどね、その来歴を黙して語らず、じっと箪笥の中で息をひそめた、着物や宝石の集合体が醸す、粘度の違う空気と臭いを、やっぱりどこかで確実に感じていました。

 

電気を消して帰るときは、本当はダッシュしたいところだけど、怖がっているのがバレるのが怖くて(って誰に?)、何だか必要以上に堂々と歩いてカギをかけていました。

 

 

と、体験に基づいた、古い着物に対する個人的な感想でした。

 

 

体験って、結局何もなかったんでしょ?粘度の違う空気って、意味わかんないし。気のせいに決まってるって。

 

確かにそうです。怖い怖いと思う心がそう感じさせるのですけれどもね。

 

 

 

でもね、レンタルした婚礼衣裳や成人式に着た振袖、実際手に取れば直ぐにわかるんですけど、ホントに薄汚れてるんですよ、だって100年以上前の着物ですから。

それでも買い取りたいって人がいます。

一人や二人じゃないですよ。

 

魅せられたのか魅入られたのか。

 

ふーっ、くわばらくわばら。

 

 

 

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小型犬用の歯磨きロープ。はちは小型犬と中型犬の間くらいの子だけど、おもちゃは小型犬用の物じゃないと食いつきが悪し。

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この写真、なんでこんなの撮れたのかなぁ。加工はしてないんだけど。

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散歩の途中でヒメツルソバの群生があって、少し頂いてはちに付けてみた。

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ヒメツルソバって、大好き。かわいいよね。

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帰ってから、お水につけました。

 


 

 

 

 

 

 

読んでいただき、ありがとうございました。

 

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