こんにちは、スミノフです。
養老渓谷の続きです。
手作りの滑り易い階段を下ると、いよいよ山道です。
登ったり降ったりですが、基本的には降っています。両脇が急激に落ち込んでいる、峯のような道を延々と歩きます。道と書きましたが、これ、道なのでしょうか?
アスファルトの道から階段を下って分け入った山道、5分もたっていないと思うのですが、もう遭難しているような感覚です。
アイフォンをリュックに仕舞っているので、ここからはストックフォトです。フリー素材となっていましたが、もし問題あるようでしたら、削除しますので、ご連絡をお願いします。
山道に入ってすぐ、もうこんな感じです。
これ、道?
進むと足場はこんな感じ。
こういう木の根を延々と歩いていると、だんだん距離感がわからなくなるというか、凹んでいるところと出ているところがわからなくなります。
躓きそうになりますが、両脇は落ち込んでいる崖、とまではいかないのですが、落ちたら自力で這い上がるのは無理そうなところです。
濡れて滑る木の根を慎重に進みます。
ほとんど獣道ですらないようなところを歩きます。この道?で合っているという確信は持てませんが、時々現れる、板に書かれた「危険」の赤い手書き文字が、多分合っているんだなと思わせてくれます。でも何が「危険」なの?
無言の時間が流れます。
…。
前を歩く友人が聞いてきます。
「ねぇ、イノシシ出たらどうしよっか?」
スミノフは足元に集中しなくてはならないので、答えません。
答えも見つからないし。
友人が振り返ります。
「ちょっと!答えてよ!後ろにいないのかと思ってマジ ビビるじゃん!」
暫く無言の行進です。
どこからともなく公衆トイレの匂いが漂ってきます。
どんどん強くなって、アンモニアでなんだか目もシバシバしてきます。
でもこんな所にもちろん公衆トイレはありません。
友人が再び振り返ります。
「イノシシやシカの排泄場所なのかな?」
…。
野生動物が、トイレの場所を決めているのかどうか知りませんが、すごい臭いです。
もう気分はどん底。
ひたすら歩くしかありません。
ザク、ザク、
ザク、ザク、
サラサラ、サラサラ
水音がしてきました。
進んでいくと川にぶつかりました。川幅はかなり広いのですが、実際に水が流れている幅は1メートルくらいです。
川の中の石を跳ねて渡ります。そして水の無い川の中を歩きます。
「ねえ、川の中を歩くハイキングコースってあると思う?」
友人が聞いてきます。
それはスミノフも思っていましたよ。
水嵩が増したら歩けなくなるコース、そんなのあるでしょうか?
しかも今は梅雨。今日は降っていませんが、昨日は降っていました。
急に鉄砲水が来るかもしれません。
でも今更あの滑る木の根の道に戻るわけにはいきません。多分遭難します。
足早に通り過ぎます。
川から道がそれました。ふぅ、よかった。
サラサラサラ
水音です。
う、またしても川。
川。
たまに鹿。
川。
川。
川を渡る事、多分30回以上はあったと思います。
やっと普通の林道みたいな所に出ました。
二人並んで歩けます。
ホッとしたし、足場もいいので、軽快に歩きます。
今までの陰鬱な空気を振り払うように、おしゃべり再開ですよー
こんなハイキングコース無いよねー、あの木の根っこと岩の道?、
子供とか歩けるの?遭難するかと思ったよー、老若男女全員が歩けるのがハイキングコースだよね、ちょっと50歳代は危険です、とか書いておいて欲しかったよね?
え?こんな時間?そりゃあんな道、時間かかるよねー、駅についたら送迎のバス呼んで丁度いいんじゃない?次のコース?もう無理っしょ。でも鹿見れて良かったー、汗もたっぷりかいたし、ビール美味しいそー、早く温泉に入りたい、
などなど。
うん?
なんか足首が痒いなぁ。
虫に刺されたかな?
足をかくと、?なんだかヌルっとしましたよ?
パンツの裾をめくって見てみます。
⁈
ギャァーーーーっ!!
皆様、ヒルって見たことありますか?
下山してから調べたところ、ヤマビルと言うそうです。
スミノフと友人は初めて見ました。
ハイキングコースを歩く事は最初から計画していたので、スミノフは白っぽい長袖シャツ、白い帽子(スズメ蜂から身を守るためと、もし遭難しても白だと目立つと思ったから)を用意していました。ブヨがいるかもしれないので、防虫スプレーもしていました。
しかし!私達の辞書にはヒルというものがありませんでした。
友人もスミノフも暑いからとメッシュ素材の靴を履いていました。もうヒルにとっては超好条件。
一匹でも怖いのに、団子状に何匹も固まっています。
ほとんどパニック状態です。
手で触るには余りにも気持ち悪くて、落ちていた木の棒で削ぎ落とそうとしますが、一向に取れません。
それどころか靴の中、靴下の中に潜り混んで行きます。
イヤーっヤダヤダ、怖いーイヤーっ
どうしよう、どうしたらいいの?そうだ、リュックに防虫スプレーがある、取って取ってー、サンキュー、シュッシュッ、あ、取れる、取れるよー
でもしぶとく残っているのもいます。なんか箸みたいなのないかな、あ、あるじゃん、チマキ食べた時使わなかった箸あるじゃん。
ふー、一先ずスミノフの足からは一匹もいなくなりました。
当然友人の足も見なくてはなりません。
あー、ビッシリ。靴の中にも何匹もいます。薄暗い林の中、アイフォンのライトを当てて靴下の裏まで要チェックです。
やっと友人の足からもいなくなりました。
もう嫌!
やっと駅に着いてヒルについて調べます。流水で傷口を絞りながら洗うとあります。あ、なんと駅に足洗い場みたいなのがあります。急いで洗います。痛くも痒くも無いのに、血だけがダラダラ流れてきます。止まりません。絆創膏を貼ります。靴下も靴も血で赤く染まっています。
ヒル、恐るべし。
翌日の足。ピントが合っていませんが、黒いポツポツが噛まれたところです。
1週間後くらいに痒くなりましたが、2、3日ウナコーワをつけたら大丈夫になりました。
続く。
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